三麻をはじめてみたけど、四麻と全然違うからどうやって打ったらいいかわからないという方が多いと思います。そこで今回は「三人麻雀が強くなる3つのセオリー」をご紹介いたします。特に初心者の方はこのセオリーを意識するだけで格段に強くなりますので、ぜひ覚えておきましょう。
①リーチを狙うこと
三麻では四麻と比べると、どんなルールであってもリーチが強いです。初心者のうちは、とにかく面前に構えてテンパイしたらリーチをするというだけで勝てると言っても過言ではありません。
実際にリーチが強いというデータもでており、天鳳においての段位別リーチ率は以下のようになっております。
四段 | 五段 | 六段 | 七段以上 | 全体平均 | |
リーチ率 | 23.6% | 23.8% | 24.2% | 24.6% | 24.0% |
先制リーチ割合 | 79.3 | 79.4 | 81.8 | 82.2 | 80.6 |
ご覧の通り、強い人ほどリーチをしているのがわかります。
次に、なぜリーチが強いかの理由について解説致します。
理由その1:打点が上がりやすいから
三麻では使用する牌が少ない(マンズの二〜八がない)ため、アガリ牌をツモれる確率が四麻より高くなっています。また、牌が少ないので「一発」や「裏ドラ」が乗りやすくなっております。
実際に天鳳における、四麻と比較した「リーチに関するデータ」は以下のとおりになります。
リーチ和了率 | 一発 | ツモ | 裏ドラ | リーチ和了時の平均素点 | リーチ者への放銃素点 | |
三麻 | 47.3% | 10.2% | 27.9% | 19.5% | 約9000点 | 約-9600点 |
四麻 | 40.5% | 8.1% | 21.2% | 13.1% | 約7400点 | 約-6500点 |
ご覧のとおり、リーチをするだけで満貫以上の高打点が期待できるのがわかります。
理由その2:リーチを打てば簡単に役(翻)がつくから
三麻は四麻と比べると、手役を作りにくいという特徴があります。実際に、四麻と比較した「役の出現率」は以下のとおりになります。
ホンイツ | 役牌 | チートイツ | 三暗刻 | トイトイ | イーペーコー | 平和 | 断ヤオ | |
三麻 | 13% | 約10% | 4.2% | 1.9% | 4.8% | 8.0% | 14.9% | 7.4% |
四麻 | 5% | 約8% | 2.6% | 0.7% | 2.4% | 4.1% | 19.9% | 22.2% |
まず注目していただきたいのは、四麻では主力となる「タンヤオ」ですが、三麻ではそこまで狙いやすい役ではありません。というのも、マンズの二〜八がないのが影響しており、タンヤオの範囲が四麻より狭くなっているからです。さらに、「チー」が出来ないので「ポン」だけでタンヤオを狙わないといけないことも影響しております。(そもそも三麻では喰いタンなしが主流だったりします)
また、他の役(一通など)も「チー」がない分、役が作りにくい特徴があります。三麻はルールの特性上、ホンイツや七対子といった役の出現率は高いですが、それぞれの役を狙うとなると狙いやすい三麻とはいえ、多少時間がかかります。
しかし、リーチはとにかくなんでもいいので4面子1雀頭をつくって、1000点を払えば1翻をつくることができます。他の役と比べるとすごく条件が簡単ですし、打点も「一発」「裏ドラ」が絡めば、さらにあがります。
三麻は染め手が狙いやすいから無理して染めにいったり、トイトイを狙いにいったりする人が多いですが、リーチしてツモ裏ドラでも同じ2〜3翻になります。リーチの方が圧倒的に役の難易度が簡単ですし、リーチをした方が結果的に打点も高くなりやすいので、とにかくガンガンリーチを打つようにしましょう。
理由その3:他家を降ろせる可能性があるから
リーチという圧力によって、まだリーチをしていない他家を降ろす、またはテンパイ速度を遅らせることができます。本来は相手のアガりの方が早いパターンでも、自分が先にアガっちゃう可能性も考えられます。そのため、三麻において先制リーチは非常に強力です。
リーチは1000点払うデメリット以上にメリットだらけです。もし自分が鳴いていたりしたら、相手は自分のテンパイに気づかずそのまま牌効率通りに手作りを行って、先にツモアガりされるケースも考えられます。その点、先制リーチすることで相手のテンパイを崩し、失点を加点にすることができるので優秀なのがわかります。
リーチは強力だとわかったと思いますので、次にリーチにおけるポイントについて解説致します。
POINT1:リャンメン以上のリーチを目指すこと
リーチをする時のポイントとしまして、なるべくリャンメン以上の待ちになるようにしてください。リャンメン以上とはサンメンチャンなどの多面待ちのことを指します。
例えば、以下の手牌の時を考えてみます。
この場合、六筒を切って「一通」をとるか、九筒を切って「平和のリャンメン」をとるかで悩むと思いますが、三麻では九筒を切ってリーチするのが鉄板です。もちろん点棒状況などによりますが、フラットな状況であれば平和のリャンメンリーチをしましょう。
リャンメンの方がアガリ率が高く(愚形:約45%、両面:約60%)なっており、追いかけリーチされた時もアガリ率の高い方が有利です。打点も「一発」「裏ドラ」があるので問題ありません。
手役より形を優先しましょう。
POINT2:牌効率を意識して先制リーチを目指すこと
さきほど、三麻の先制リーチは最強と説明しましたが、先制リーチを打つためには「誰よりも早くテンパイすること」=「牌効率」の知識が重要になってきます。
三麻の牌効率について、基礎から覚えたい方はこちらの記事をご参考ください。
②鳴きはあまりしないこと(面前に構える)
2つ目の三麻のセオリーは「あまり鳴かないこと」になります。実際、三麻の強い人ほど無駄な鳴きが少ない傾向にあります。天鳳における鳴き(副露)のデータは以下のようになっております。
四段 | 五段 | 六段 | 七段以上 | 天鳳位 | 全体平均 | |
副露率 | 27.8% | 27% | 26.3% | 25.5% | 25.6% | 26.2% |
ご覧のとおり、強い人ほど副露率が低くなっております。
四麻ではテンパイ速度が遅いため鳴きが重要になってきますが、三麻はテンパイ速度も早い(牌が少ないから)し、四麻ほど鳴きが強くないので、それほど重要ではありません。四麻と同じようなノリで鳴かないようにしましょう。初心者のうちは、鳴かずにメンゼンに構えることをおすすめします。
次に、なぜ三麻は鳴きが弱いかの理由について解説致します。
理由その1:リーチが打てなくなる
鳴いてしまうと高打点が作りやすいリーチが打てなくなります。また、打点も制限されるので、打点を読まれて押し返されることも考えられます。
特に、安い鳴きをすると相手の攻めに押し返しづらくなってしまいます。相手からリーチが入っても、高打点のメンゼンで攻めた方が押し返しやすいので、四麻のようなノリで鳴かないようにしましょう。
理由その2:守備力が下がる
例えば、以下の手牌の時を考えてみます。
この手牌からは「中」を鳴かないようにしましょう。鳴いても打点が低いし愚形ばかりです。
実際、この「中」を鳴いても全然早くなっていません。
また、リーチがきたら最悪手詰まりしそうな牌ばかりなので、「中」を残して2順凌げるように構えておいた方が良いです。
理由その3:メンゼンの方が攻守のバランスが良い
三麻初心者のあるあるとして、鳴いて無理にトイトイを狙いたがるところがありますが、これはあまりおすすめできません。
三麻のトイトイは四麻と違ってそこまで強くありません。というのも、三麻は平均打点が高いのでトイトイを狙わなくても十分打点を作れるからです。さらに、必ず愚形待ち(シャボ)になるため、アガれる可能性が低いのに、相手からのリーチに降りれなくなることが多いです。
つまり、リスクに対するリターンが少ないということです。
例えば、以下の手牌の時を考えてみます。
この手牌も、何も鳴かずにメンゼンの方がバランスが良いです。
強い人は、とりあえず1枚目の「發」はスルーすることが多く、チートイツの一向聴だし、リーチだと打点も高くなるし守備力もあるので、メンゼンに構える方が良いです。
では、逆にどういった場合に鳴けば良いのかについて解説致します。
ケース1:ポンテンが取れる
例えば、以下の手牌の時を考えてみます。
この手牌からは「中」を鳴いてテンパイをとりましょう。役牌バックはおすすめしません。(そもそも三麻では後付けなしが主流だったりします)
愚形が多いほど鳴いてテンパイを取った方が良いです。
打点は低いが、テンパイを取った方が得になることが多く、先にアガって相手の高打点のアガリを潰すことも三麻では重要です。
ケース2:すでに満貫以上ある
例えば、以下の手牌の時を考えてみます。
この手牌からは「發」を鳴くことをおすすめします。これも役牌バックはおすすめしません。
鳴いても満貫があるので、リーチしなくても打点は十分です。雀頭があって愚形が多いなら、鳴いた方が効率が良いです。
③守備力を高めること
三麻では攻撃より守備が大事です。三麻は打点が高いから攻めが大事だと言われますが、そんなことはなく、むしろ守備を徹底してベタオリなどをした方が成績が良くなります。
実際に守備力が高いほど成績が良くなるデータも出ており、天鳳における「放銃率」は以下のようになっております。
四段 | 五段 | 六段 | 七段以上 | 天鳳位 | 全体平均 | |
放銃率 | 17.3% | 16.5% | 15.3% | 14.6% | 13% | 16% |
ご覧のとおり、強い人ほど放銃率が低いのがわかります。
三麻は守備が大事なのは、ロン和了のときの打点が高いからになります。
和了時平均収入 | ロン和了時の平均素点 | 放銃時の平均支出 | 放銃時の満貫以上の確率 | |
三麻 | 約8600点 | 約9400点 | 約-10000点 | 約55% |
四麻 | 約6100点 | 約6400点 | 約-6500点 | 約23% |
特に「天鳳」「雀魂」「DORA麻雀」など、三麻でツモ損が採用されているルールにおいては「ツモの打点が低い=ロンの打点が高い」ということになりますので、放銃してしまうと失点を取り返すのが難しくなってしまいます。そのため、守備力がさらに重要になってきます。
次に、守備力を高めるポイントについて解説致します。
POINT1:押し引きを徹底すること
三麻の押し引きというのはかなり難しく、上級者でも悩むことが多いです。もちろん点棒状況や捨て牌によって、押すのか引くのかといった判断も必要になってきますが、初心者のうちは以下の表を覚えて、シンプルな判断で麻雀を打った方が上達がしやすいのでぜひご参考ください。
状況(場況) | 押す | 引く |
---|---|---|
自分のシャンテン数は? | テンパイ | 二向聴以下 |
良形か愚形か? | 良形(リャンメン以上) | 愚形(456待ちは引き優位) |
自分は親か子か? | 親 | 子 |
打点は満貫以上あるか? | 満貫以上 | 1~2翻 |
攻める相手は親か子か? | 相手が子 | 相手が親 |
相手の打点は高そうか? (相手の抜きドラや華牌の枚数は?) | 低そう (0枚) | 高そう (2枚以上) |
自分はトップか?ラスか? (点棒に余裕があるか?) | ラス目 (点棒が少ない) | トップ目 (点棒に余裕がある) |
降りる時に切れる牌の枚数は? | 少ない(1枚以下) | 多い(2枚以上) |
テンパイ時に切る牌の危険度は? | 安牌・2枚切れ字牌など | 無筋の3~7 |
通っている筋の数は? | 少ない(5本以下) | 多い(9本以上) |
巡目は? | 浅い(1〜6巡目) | 深い(12巡目〜) |
こちらの押し引き表は、特に他家からリーチが入ったときのことを想定してください。もちろん、相手がテンパイ気配の時でも使えますが、初心者のうちはヤミへの放銃は仕方ないと考えて問題ありません。
上4つの項目は特に重要で、押し引きをする際はこちらを優先して判断してください。親からリーチが入ったけど、自分はリャンシャンテンで打点も低いとなれば、ベタオリ一択になってきます。
POINT2:降りる時はベタオリする
三麻は愚形(筋ひっかけ、字牌待ち)が多く、打点も高いことがほとんどなので、軽い気持ちで筋や字牌を切らずに、降りる時は徹底して現物のみ切るようにしましょう。
特に先制でリーチを受けた時は、さきほどの押し引き表にある「押し」要素が多くない限り、ベタオリするようにしましょう。先制リーチを受けた時点で相当不利だとお考えください。自分の手の打点が高くても、一向聴より遠いなら相当キツイです。一向聴で打点が高く、待ちもリャンメン以上でやっと押し返しても良いレベルです。
もし、安牌がない場合は以下の順番で凌ぐようにしましょう。
- 3枚切れの字牌・マンズ
- 2枚切れの字牌・マンズ
- 1枚切れの字牌・マンズ
- 筋の一九牌
- 筋の二八牌
- 生牌の字牌・マンズ
筋の一九/二八は切れている枚数が多いほど、シャボ待ちの可能性が減るため安全になります。また、「生牌の字牌・マンズ」の放銃率は約9%となっており、意外と危ない牌なので注意してください。
巡目が深くなるほど危険度も増してくるので、現物があるのであれば、できるだけ現物を切るようにしてください。ちなみに15巡目の放銃率は約20%となっております。
初心者のうちは回し打ち(安全そうな牌を切りながら攻める)することはおすすめしません。回し打ちは守備の知識や高度な押し引きが求められます。慣れないうちは「リーチを受けたらベタオリする」というシンプルな打ち方をすると成績も安定します。
まとめ
三麻が強くなる3つのセオリーは「リーチを狙うこと」「鳴きはあまりしないこと」「守備力を高めること」でした。とにかくメンゼンで構えることを意識して、先制リーチにはなるべくベタオリするといったことを心がけましょう。
初心者のうちはこのセオリーを意識して、まずは麻雀を打つ場数を踏みましょう。そこで負けた時に反省をし、何がいけなかったのか、何が良かったのかなどを研究していくうちに、中級者上級者といった次のステップへかけ上がっていけます。
麻雀は勉強も大切ですが、実践で試すのが一番です。